ざっくり英文法入門 19


19, 完了形

 

さて、本項では完了形を扱います。

完了形には「経験・継続・完了・結果」の4つの用法があります。

正直多いですね。あと完了形ってニュアンスが難しいです。

 

現在形や過去形のような時制と違って、過去から現在の流れを汲んだ上での表現なので、少し混乱してしまうかもしれません。

できるだけ優しく説明できるよう頑張ります。

 

【①経験 ~したことがある / 肯定文・否定文・疑問文の作り方】

 

I have been (to Atami). 私は熱海に行ったことがあります。

(S)   (V)

まず、完了形の作り方ですが、動詞の部分をhave(has)+過去分詞にします。

これは他の意味の完了形も一緒です。

経験の完了形は、過去から今までの間に「~したことがある」という経験の有無について表します。

 

ついでに完了形の否定文と疑問文の作り方も見ていきましょう。

 

☆完了形の否定文

have(has)の後ろにnotを入れます。

I haven’t been (to Atami). 熱海に行ったことがありません。

(S)      (V)

 

notの代わりにneverを使うと「“一度も“~したことがない」という意味合いになります。

Ive (never) been (to Atami). 一度も熱海に行ったことがありません。

(S)      (V)            ※I’veはI haveの略です

 

☆完了形の疑問文

疑問文は、have(has)と主語の位置が入れ替わります。

Have you been (to Atami)? 熱海に行ったことはありますか?

(S)   (V)

 

 

また、下の例のようにeverを入れると、「今までに~したことある?」といった感じで意味が強調されます。

 

Have you (ever) been (to Atami)? 今までに熱海に行ったことはありますか?

(S)           (V)

 

否定文・疑問文の作り方は他の意味でも同じです。

 

 

【②継続 ずっと~している】

 

He has collected toy cars (for over ten years). 彼は10年以上ミニカーを集めています。

(S)       (V)         (O)

 

継続用法は、ある一定の期間にわたり「ずっと~をしている」という、継続の意味を表します。疑問文にする際は、疑問詞合わせ技のHow longを使って、「どのくらいの期間~をしているの?」という文を作ることもできます。

 

How long/ has he collected toy cars? 彼はどれくらいの間ミニカーを集めていますか?

(S)    (V)      (O)

 

 

【完了 (ちょうど)今~した / (もう)すでに~した】

完了用法では、現在(今)に物事が完了したという意味を取ります。

 

Ive (just) received the e-mail (from him). ちょうど彼からのメールを受け取りました。

(S)         (V)            (O)

 

これは「たった今起こったこと」を表します。justを伴うことが多いです。

ただ、これって普通の過去形と何が違うの?と思いませんか?

 

I (just) received the e-mail (from him). 先ほど彼からのメールを受け取りました。

(S)       (V)            (O)

 

justは日本語では「ちょうど・今」という感じですが、英語では「ほんのちょっと前・先ほど」(a short time age)を表すので、過去形でも使えます。

 

正直言いますと、訳がほぼ一緒なのを見てもお分かりの通り、ほとんど意味は一緒です。

ただニュアンスに微妙な違いがあります。現在完了は「彼からのメールを待っていて、ちょうど先ほど届いた(届く行為が完了した)」というニュアンスがあります。過去形では「メールが先ほど届いた」というニュアンスだけです。

 

つまり、過去形が過去の一点で「~した」を表すのに対し、現在完了形は「過去から継続した○○が、現在に完了した」というニュアンスがあるのです。

 

alreadyを伴うと、「もうすでに~した」という意味合いになります。

※予想より早いというニュアンスを含みます。

 

Ive (already) received the e-mail (from him). もう彼からのメールを受け取りました。

(S)         (V)              (O)

 

「もう~しましたか?」という疑問文の時は、alreadyのかわりにyetを使うこともできます。

 

Have you received the e-mail (from him) (yet)? もう彼からのメールを受け取りましたか?

(S)     (V)        (O)

 

 

【結果 ~してしまった。今も~】

 

Ayabe has gone to America. 綾部はアメリカに行ってしまった。

(S)       (V)        (O)

 

結果用法では、「~してしまい今も~な状態」を表します。上の例ですと、「過去に綾部さんはアメリカに行ってしまい、現在もいまだアメリカにいる」状態を表します。

 

ただの過去形と比べてみましょう。

 

Ayabe went to America. 綾部はアメリカに行った。

(S)      (V)      (O)

 

 

ただの過去形では、「過去に綾部さんはアメリカに行った」ことのみ表しており、現在もいまだアメリカにいるかどうかについては触れられていません。

 

現在完了形の用法ですが、意味はたくさんありますが、すべて(過去から続いている)現在にフォーカスした用法です。以下にまとめます。

 

経験:過去から現在の間の経験

継続:過去から現在まで~を継続している

完了:過去から継続して~だが、現在に完了

結果:過去に~してしまい、現在も~の状態

 

過去や現在の一点を表す用法ではないのでややこしいですが、たくさん音読して慣れていきましょう。