ざっくり英文法 22


22, 分詞・分詞構文

 

前回皆様に動名詞について説明しました。

おさらいしますと、「動詞のing形を使って名詞の役割を持たせる」のが動名詞でした。

 

さて、今までわかりやすいように「動詞のing形」と表現してきましたが、専門用語でいうと、これは「現在分詞」と呼ばれているものです。この現在分詞と、以前受動態などでやりました動詞の「過去分詞」を使って、「形容詞」や「副詞」の役割を持たせることができるのが、分詞・分詞構文です。

 

ですので、まず形容詞・副詞についてざっくり復習します。

形容詞:①「名詞」を修飾 ②補語Cになる

副詞:「名詞以外」を修飾

 

でしたね。それでは本編に参りましょう。

 

【形容詞の役割になる分詞】

☆現在分詞

 

 

I can see some [walking] people.  何人か歩いている人が見えます。

(S) (助) (V)     (O)

 

名詞peopleを現在分詞walkingが修飾し、「歩いている人」となっています。このように現在分詞を付けることで、「~している」「~する」という意味を加えることができます。

もし現在分詞の後ろにさらに文が続く場合、名詞の後ろから修飾します。

分詞一語なら前から、分詞を含むかたまりが一語以上なら後ろから修飾するわけです。

 

 

The girl [playing the piano] is Ann. ピアノを弾いている少女がアンです。

(S)                 (V)  (C)

 

ちょっと難しい例を載せますので、品詞分解・和訳をしてみましょう。

どこがどこを修飾しているのか、意識してみてください。

 

I saw a lot of dead men eating living people! They are zombies!

(S) (V)                      (O)                       (S)  (V)   (C)

 

☆過去分詞

上の現在分詞では、「~している」「~する」という意味を加えることができましたが、過去分詞では「~される」という意味を加えることができます。

 

 

Open the [sealed] door, brave man. 封印されし扉をひらくのだ、勇者よ。

(V)         (O)              (O)

 

Sealは「封印する」という意味の動詞です。これを過去分詞にして名詞doorに付けると、「封印された扉」となります。(日常生活でおおよそ使うことがない例文ばかりですいません)これも同じく2語以上になる場合は、後ろから修飾します。

 

 

You need the legend sword (to open the door [sealed by Satan].)

(S)   (V)         (O)

魔王に封印されし扉を開くためには、伝説の剣が必要じゃ。

 

※上の例ではTo不定詞が使われていますが、どの品詞の用法かわかりますでしょうか。

分からない方は時間のある時にTo不定詞の項を復習しましょう。

 

 

【分詞構文】

分詞構文は現在分詞と過去分詞を使って「副詞」の役割をする用法です。副詞は「名詞以外」何でも修飾できるんでしたね。いろいろな意味を取るので、臨機応変に訳していくことが大事です。

 

☆~しながら

 

He (slowly) sat (at the piano), (rolling up his sleeves).

(S)       (V)

彼は袖をまくりながら、おもむろにピアノのシートに座った。

 

“rolling up his sleeves”の部分が現在分詞の副詞句になって、メインの節” He slowly sat at the piano.”を修飾しています。副詞句の部分は主語がないですが、メインの節の主語がそのまま適応されます。(この場合はHe)

 

ちなみに例文は、ドラマとかで、「いつもはさえないメガネの兄ちゃん(geek)が、実はめっちゃピアノが上手かった」みたいなやつをイメージしています。

 

 

☆When ~な時

 

(Looking out of the window), I found her [walking (with a man)].

(S) (V)   (O)

窓から外を見た時、男と歩いている彼女を見つけた。

 

これも” Looking out of the window”が「~するとき」という意味を取り、メインの節を修飾しています。

 

 

 

☆if もし~なら

 

(Not getting up (by 6am)), youll be late (for the meeting).

(S)(助) (V) (C)

もし朝6時までに起きないなら、ミーティングに遅れるでしょう。

 

このように分詞構文の否定するときはNot ~ingの形にします。

 

 

 

☆And ~して、そして~する  ☆Because ~なので

 

(Dumped (by her)), Im (so) heartbroken.

(S)(V)      (C)

彼女に振られて、心がぽっきり折れてしまいました。

 

分詞構文には「Because ~なので」の意味もありますが、上の例はAndでもいけるし、Becauseで訳しても行けますね。

「彼女に振られたので、心がぽっきり折れてしまいました。」

 

また、ここでメインの節の主語「私」は「ふられた」という受け身の立場なので、過去分詞が使われています。

 

☆過去の分詞構文 / 分詞構文の主語が違う場合

 

(My father having left (from us) (ten years ago)), I have grown up (in a fatherless family).

(S)    (V)

10年前父が出ていったので、私は母子家庭で育ちました。

 

分詞構文の部分がメインの節より過去を表す場合「having 過去分詞」の形にします。

分詞構文の主語がメインの節と違う場合、主語をそのまま分詞構文の先頭に置きます。

 

長くなりましたが、分詞・分詞構文は以上です。

次回は関係詞です。

次回も長くなります。