私、パン屋の英会話教室Leon 校長 横山礼恩は
10年間受験英語を教える塾講師だったのに、ニューヨークに留学したら全く英語が話せなかった英会話講師です。
塾講師時代を入れると、今年(2022年)で講師歴は20年目となります。
レオンは本名ですが、埼玉生まれ埼玉育ちで英語は苦手。
そんな自分も、ニューヨーク留学時はTOEIC900点近く、受験英語ももちろん教えていたくらいですから、プロのレベルになっていたと思います。
それが、どうしてニューヨークでは幼稚園児よりもしゃべれなかったのか?
本当に英語が口から出てこないし、第一何を言っているのか、全く聞こえませんでした。
コロンビア大学ALPコースに通ったのですが、クラスも下から二番目でした。
10年間も子供達、とりわけ受験生に英語を教えながらこんなことになるのか?
実は、今になって分かったのが、英会話となると不得意な英語の先生はとても多いです。
何故そうなるのか?
一言で言って、英語学習の方法が「しゃべれる」ようにはなっていないからです。
現地で英語がしゃべれない、というのは非常に困ったので、英会話学習法については必死に勉強しました。
そこで出会ったのがSLA(第二言語習得論」です。
もちろん、プロの学者ではないですし、とてもじゃないですが偉そうに語る資格はないのですが、ただ非常に納得したのが
「学習(Learning)」と「習得(Acquiring)」は違う
ということでした。
日本の英語学習は単語の暗記、英文の文法訳読、文法クイズ、発音の練習など、ほとんどは「学習」に分類されます。
SLAの大御所、スティーブン・クラッシェンによると、学習では全くしゃべれるようにならない、というのです。
ちなみにクラッシェンは、外国語習得は人によって違うことはない、たった一つ方法でなされると言っています。
人が耳から食事を消化したりしないのと同じで、たった一つの方法でなされる、と。
その過激さから反論も多いわけですが、それでも
外国語を「しゃべれるようになる」
という点では非常に本質をついていると、僕は経験上思っています。
「学習(Learning)」ではしゃべれるようにならない
「習得(Acquiring)」を通して外国語を本当にしゃべれるようになる。
クラッシェンは、子供は100%習得を通して、大人は習得と学習の割合が9:1で良いと言っています。
どちらにせよ、日本の英語教育はほとんどが「学習」に当たるわけですから、これではしゃべれるようになるわけがありません。
じゃぁ、「習得(Acquiring)」ってなんなのか?
簡単にいうと
「多聴多読」
です。
全部ではなく、7−9割理解できる(最低6割はわかる。全くわからないと意味ありません)ものの多聴多読を通して、
「本当にしゃべれるようになる」
と、すごく簡単にいうと言っています。
それだけ?
そんなことで?
わからない単語はどうするの?
そう感じないでしょうか?
私は初め、正直そう思いました。
また、やってみるとわかるのが、そもそも知らない単語や、意味が取りづらい箇所を無視してどんどん先に行く、ということに全く私たちは慣れていないのです。
多聴多読を続けるということは、この「心の中に起こる疑念」とも日本人は戦わないといけないようです。
しかし考えてみたら、その国の本を10冊も読んだことないくせに、ネイティブとペラペラしゃべれるなんてあり得るでしょうか?
教科書なんて薄っぺらく、それすら中高の時は毎年終わらなかったですよね?
それをちょっとずつ週に何度か読んだくらいで、何も考えずにスラスラ英語が出てくる、と考えることがおかしいのではないでしょうか?
日本人で、英語の本を10冊読んだことある人はほとんどいないでしょう。
そう、日本の英語教育で話せないのは、決して文法ばかりやっていたから、ではありません。
英語を話す機会がなかったから、というわけでもないのです。
というのも、大切なのはインプットであり、アウトプット(スピーキングやライティング)はそこまで重要じゃないとい意見がSLAにはあります。
英語は語順の言語ですから、文法をある程度学ぶ(特に語順に関するもの)
また、発声もだいぶ違うので、発音を学習するのも良いでしょう。
単語もやはり覚えないとレベルアップは測りづらいと思います。
なので、そういう練習や例文暗記も良いのです。
でも、それはあくまで周辺的大切さであり、もっともっと
「習得」= 多聴多読
の練習に時間を割くべきです。
例えば、TOEIC学習に関しても、一冊をじっくりやる人はそこまで飛躍的に点数は伸びません。
それよりも、ざっとでいいので何冊もやる、問題演習をする。
こちらの方が断然伸びます。
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ただ、この多聴多読がやってみると本当に日本人は私も含めて苦手です。
わからないところについ止まってしまう癖が中々抜け切らないのです。
もちろん、英語をそもそも使う必要がない環境、間違えたくないという日本人の真面目さ
理由はひとつではないのですが、
なぜ日本の英語教育ではしゃべれないのか? = インプットの量が圧倒的に足りていないから
これはほぼ間違いないと確信しています。
また、多聴多読は、Story-Listeningという形で、音声もあるもの、さらに今のレベルより少し難し目で、興味が持てるもの(これもとても大事)
を、教員にガイドされながらしていくと、より効果的と言われています。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
パン屋の英会話教室Leon 校長 横山礼恩