25, 仮定法
仮定法といえば以下の文を思い出します。
“I wish I were a bird.” 「もしも私が鳥だったらなあ」
これは大体の教科書・参考書にのっていたような気がします。懐かしいですね。
さて、仮定法の基本の文ですが、以下の例を見てください。
If I were rich, I would eat a big beef steak (for every meal).
(S) (V) (C) (S)(助) (V) (O)
もし僕がお金持ちだったら、毎食でっかいステーキを食べるのに
上の文を本気で言っているやつがいたら友達になりたいですね。頭良くないけど絶対いいやつです。さて、若干話が脱線しましたが、まず仮定法の基本です。
【仮定法の基本】
「If S 過去形, S 助動詞の過去形 V」とか学校でやったのではないでしょうか。
わかり辛いっすよね。正直。丸覚えしても3日で忘れそうです。
先ほどの例、英文ではなく日本語訳を見てみましょう。
「もし僕がお金持ちだったら、毎食でっかいステーキを食べるのに」
If I were rich, I would eat a big beef steak (for every meal).
(S) (V) (C) (S)(助) (V) (O)
そう、何かを仮定するときには、日本語でも過去の言い回しなのです。
「もし~だったら」をそのまま”If S 過去形”に当てはめられますね。
ちなみにこのIf節の動詞がbe動詞の場合、主語にかかわらずwereを使います。
なぜかは自分にもよくわかりません。誰か知ってる人教えてください。
さて、後ろの「毎食でっかいステーキを食べるのに」の部分ですが、まず仮定法の助動詞について説明します。この部分で使われているの助動詞の過去形(would /could/might)は、「仮定」の意味です。
ありえないことに対し、「” would” ~するだろうに」「”could” ~できるだろうに」「”might” ~するかもしれないのに」という意味を表しています。微妙なニュアンスの違いがありますが、面倒くさかったら常に”would”でいいと思います。
【過去ことを表す仮定法(仮定法過去完了)】
仮定法で過去のことを表す場合は、仮定法の時制を一つ下げればいいのです。
現在の仮定法は「If S 過去形, S 助動詞の過去形 V」なので、
過去の仮定法は「If S had過去分詞, S 助動詞の過去形 have V」になりますね。
If I had enough talent, I could have passed the audition.
(S) (V) (O) (S)(助) (V) (O)
もし私に十分な才能があったら、オーディションに受かっていたはずなのに。
【条件のIf節との違い】
条件のif節では現実にあり得ることを言いますが、仮定法のif節では現実にあり得ない、可能性が0%に近いことを言います。
以下は普通のif節ですが、”君がもしパーティに来られたら”というのは来られる可能性を含んだ言い方(来られるかもしれないし、来れないかもしれない)ですね。仮定法のif節との違いを認識しましょう。
If you can come to the party, I will introduce you to everybody.
「もし君がパーティに来られるなら、僕が君をみんなに紹介するよ。」
【wishとhope】
さて、冒頭に”I wish I were a bird”の例を挙げました。
これも仮定法の一つです。
wishは「~を望む」という意味ですが、同じような意味の動詞にhopeがあります。
しかしwishは仮定法で使えますが、hopeは使えません。何故でしょうか。
wishは実現不可能なことを望む表現です。
冒頭の「鳥だったらなあ」の例に関しては、人は鳥になれないという現実があります。
一方hopeは実現可能なことに対して「~だったらなあ」という希望を表しています。
たとえば偏差値30の人が東大を受験して「受かったらなあ」だったら
(1)I wish I could pass the exam for entrance to Tokyo University.
「東大に受かったらなあ(絶対受からないだろうけど)」
偏差値70の人が東大を受験して「受かったらなあ」だったら
(2)I hope I will pass the exam for entrance to Tokyo University.
「東大受かるといいなあ」
となるわけですね。この差は仮定法のIfと条件のIfの違いそのままです。
仮定法では現実にありえないことを表すわけです。