どんなプロでもネイティブにはなれません。


長井鞠子さん、という同時通訳者がいます。

 

たまたまテレビで見て、そのあとJapan Timesで紹介されていて知ったのですが、何よりもすごいと思ったのがご本人、1年留学したとはいえ、基本的には日本で英語を学んだ方だ、ということです。

 

長年英語を勉強していると、ちょっと聞いただけでこの人が母国語として英語をしゃべっているのか、それとも努力して英語を第二言語として身に着けたのか、判断できるようになります。

 

母国語として話している人は発音がやはり違いますし、とても「自然」な表現をします。

 

 

 

ちょっと複雑な気持ちにもなるものですが、でも、こうしてネイティブじゃないのに英語の専門家として立派に第一線で活躍している方がいる、というのは勇気づけられるものです。

 

正直に言う方は、英語のプロでもその著書などで、自分の英語力は低くはないかもしれないけども、やはりネイティブにはなれない、と書いているものです。

 

ずっと、第二言語として外国語に接する人は練習しつづけないといけませんし、それでも

 

「ネイティブにはなれない」

 

ということだと思います。

 

 

 

考えたら、日本にいる外国出身の日本語上級者でも、僕たち日本人が聞けば「外国人のしゃべってる日本語だな」ということはわかりますよね。

 

逆に、この人、日本語が母国語なんだな、という方も聞けばすぐにわかります。それと一緒です。

 

もちろん、それで全然いいんです。

 

 

さて、その長井さんですが、当然、同時通訳として様々な現場にいくわけですが、大変なのは「専門用語」をちゃんと覚えていくことでしょう。

 

それをどうやって「暗記」しているのか、とても興味がありました。で、その方法をテレビでやっていたのです。

 

方法はいたってシンプル。

 

「関係文書を読み漁って、知らない単語、使いそうな単語をかたっぱしから紙にメモ」

 

これだけです。

 

しかも、そのメモのほとんどは「英語のみ」

 

つい、学校の教育のなごりか、英語かいて、日本語かいて、例文、派生語まで書いて、ちゃんと色分けして付箋もはって・・・

 

までやらなくても、せめてきっちり日本語訳や例文くらいは、なんて思うものですが

 

「本当にそのへんの紙にちょこちょこっとメモって、あとはそれを束ねておくだけ」

 

やってみると、これは中々いいことに僕も気が付きました。

 

ですから、最近は書き損じや余計にコピーしてしまった紙の裏に、使えそうな単語、面白いなと思った言い回しをメモ。日本語訳は書きません。

 

で、クリアファイルに無造作にいれて、たまに見返します。

 

これでも語彙は増えていきますし、なによりストレスがないのが良いです!

 

それはそうと、新聞インタビューの中で、長年の同時通訳者として一番苦労したり大変だったことはなんですか?

 

との質問に、長井さんはこう答えていました。

 

「一番大変だったのは英語そのもの。だって自分はネイティブじゃないから」

 

本当に素晴らしい方だな、と改めて感じました。

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