日本の英語教育は文法偏重すぎるので、しゃべれない、すなわち、役に立たないのだ。と言われます。
そもそも、日本人は外国語の才能がないのではないか、とすら思える。本を読んでいてもそう思うのです。
例えば、内田百閒はドイツ語教師をしていたのですが、学校に本物のドイツ人が来ることになってしまい困った話がエッセイにありました。彼も読む分には良かったのですが、しゃべるとなると全くダメだったことを素直に告白しているのです。
それをいえば、夏目漱石だってそうじゃないでしょうか?言葉の問題だけではないかもしれませんが、ロンドン留学を楽しんだ、なんてことは全くなく、むしろノイローゼにかかって発狂疑惑まで日本でささやかれた。
曽野綾子はクリスチャン系の学校にいながら、ご自身も含め日本人の英語力のあまりの無さを書いています。
大学の先生のネタは結構あります。アメリカの大学で講演をした際、あとで、アメリカ人の学生に、先生の言ってることは全くわかりませんでしたが、日本語って意外に英語に似ているんだなぁ、と思いました・・・。
英語で講演したのに、英語と思われなかったんですね(笑)。
英文学の日本人教授の英語講演があんまりにもひどくて、アメリカ人皆驚くも、それを後で文字におこしたのを見た時、その英語のあまりの見事さにもう一度驚いた、なんて話もあります。
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と、日本人の「英会話力」は相当にひどいと、NYでもそういう評判だったのですが、これは才能の問題なのか?文法ばっか十年以上学校でやらされたせいで、自分らの英語はぜんぜん役に立たないのか?
これは僕の意見なのですが、
要はリスニングの問題なんじゃないでしょうか?
昔の人は当然、リスニングの勉強する手立てがなかったでしょう。YoutubeもCDもMP3もありません。そもそも動いてる外人なんか見ないまま一生終わる人が多かったんじゃないでしょうか?
そして、僕も中高、3浪した大学受験時の英語学習含め、Listeningの勉強はほとんどしていません。
10年間も受験英語や学校の英語の補習を教えていてアメリカに行って思ったのが、何よりもまず
なんも聞こえない
ことでした。そして、口から英語が出てこない。
これはどういうことか、というと、座って本にむかって勉強している限り、なんだかんだ、自分のスピードで読んで理解している、ということです。
逆にリスニングは瞬時に聞いて、更に「理解」しないといけません。
スピードがいるのです。
そして、SLA(第二言語習得論)を勉強するうち、この2つがとても話せるようになる上で重要だと知りました。
Accuracy(正確さ)とFluency(流暢さ)
です。つまり、知識とスピード、これなんですね。
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文法は動詞を中心に、やはりやらないといけません。初心者のうちは特にです。
でも、同時に外せないのはやはり
Listening
です。
思い切って、受験のあの膨大な長文を全部Listeningにするだけで、受験生はそれこそ必死に勉強(しない人もいますが。若き日の私の如く)するはずですので、飛躍的に日本人の英会話力は上昇するのではないでしょうか?
それで日本人がいつの日か、英語のうまい民族、になると思います。
そうなったら嬉しい・・・と、同時に、僕個人はちょっとさみしいですね。余計な遠回りをした気分です(笑)
Leon